K-TUNES RACING

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2024.11.2-3 モビリティリゾートもてぎ連続の表彰台を目指したモテギだったが
予選19位に終わり決勝も14位が精一杯

〇アンラッキーな赤旗の連続で予選下位に沈む
〇決勝はレースペースに苦しみ14位に終わる
〇雨から高温へと振り切れた天候に翻弄された

またもや豪雨がサーキットに降り注いでいた。
AUTOBACS SUPER GT 2024の後半戦は、雨に強く影響されたことが記憶に残ることになるだろう。9月の第5戦鈴鹿が台風の影響によって12月へ延期され、続く第6戦SUGOでは公式予選が中止となり公式練習のタイムでスタート順位が決まった。さらに第7戦オートポリスもまた土曜日の走行が全てキャンセルとなり公式予選が日曜日の朝にスライドした。そして今回、第8戦モテギでも早朝から強い雨が土曜日のサーキットを襲い、しかも終日雨が止むことがないという。誰もが大幅なスケジュールの変更や公式予選のシステム変更の可能性を感じていた。
しかも、土曜日の天気をピタリと当てた天気予報によれば、日曜日は一転して快晴。土曜日のデータが全く活かせないまま、決勝レースへと突入することになる。なんという混乱した状況だろうか。
それでも午前中の公式練習はスタートした。強行された、といっていいだろう。付け加えるならSUGOやオートポリスと異なるのは、モテギは標高が高い台地にあり、山間部に位置するSUGOやオートポリスのように気象が急激な変化をするようなことがない。日本国内には7つのインターナショナルサーキットが存在するが、山の影響が少ないサーキットは十勝、鈴鹿、モテギの3つだけだ。

その公式練習は、クラッシュによる赤旗中断の連続となった。GT300クラスの専有走行時間帯まで含めた85分間で6度も赤旗となり、合計約60分間は走行できなかったのだ。これには雨が強まったために赤旗となったものもあるが、ほとんどはコースオフしたマシンを回収するためだった。モビリティリゾートもてぎのレーシングコースは、バイクレースにも注力しているため、ランオフエリアがサンドトラップ(砂による減速帯)が設けられている。そこが雨によってぬかるみ、マシンがハマると脱出できないパターンが続いた。
多くのマシンが10周前後の周回数しか走ることができなかった。赤旗が提示されてピットへ戻ってくる時も周回数にカウントされるため、実際のチェック走行に使えたのはほんのわずかということになる。
K-tunes Racing 96号車は、2人のレジェンドドライバーが雨の状況を冷静に判断しながら、新田守男選手が5周、高木真一選手が2周という走行に終わった。

雨はその量を増減させながら、しかし完全に止むことはなかった。ただし誘い水かのように、午後の公式予選が始まるタイミングでは小雨になっていた。天気予報によれば、時間が進むとともに雨量が増える予定となっていた。
スケジュール通りに始まった予選Q1、ドライバーは高木真一選手。もちろん96号車にはレインタイヤが装着された。最初のタイムアタックで2分07秒205をマークし、次はクリアラップを取るためにスローダウンしてスペースを開けた。
第5戦から採用されたGT300全車一斉にタイムアタックを行う予選Q1の新しいフォーマットは、コース上の混雑が発生する可能性が高く、そのため予選時間をこれまでの10分から20分へと拡大した。しかし雨の予選では、まず保険ともいえるラップを記録してから、タイヤのウォームアップやコンディションの変化によってタイムアップする可能性を探ることになる。つまり、最初から最後までコース上に留まるマシンが少なくない。だからクリアラップを取るのが難しくなる。
何とかスペースを開けた高木真一選手は2度目のタイムアタックに入ったが、コース後半で大きくタイムロスをし、タイムアップできずに22番手タイムに留まった。そして連続でタイムアタックしたものの、他車がコースアウトして赤旗中断。
残り10分で予選は再開となり、高木真一選手は再びクリアラップのためにスペースを開け、準備を整えてアタックに入っていった。しかしここで再び赤旗中断。Q1は残り1分30分で赤旗で終了となってしまった。2分02秒934までタイムアップしていたものの、16番手タイムとなった。

新しい予選方式では、上位14位までがQ2 U14へ、15位以下がQ2 L15へと振り分けられる。96号車は当然Q2 L15となってしまった。最終的な予選結果はQ1+Q2の合算で行われるのがノーマルだが、今回はウエットコンディションのためQ2の順位で決まる特別ルールだ。
新田守男選手は、最初のアタックで最終コーナーでスピンを喫するという、珍しい展開。前戦オートポリスではウエットタイヤがコンディションにピタリとマッチしたのだが、今回のモテギではちょっと違ってしまっていた。
その後もチャレンジングに攻める新田守男選手だったが、タイムは伸び悩み、最後のアタックの2分01秒585がベストとなった。これは5番手タイムで、つまり予選結果は19位ということになる。

翌日の決勝レースは、一転して快晴。強い日差しがサーキットに降り注ぎ、気温と路面を温めていた。11月のモテギを想定して持ち込まれたスリックタイヤは、当然寒いコンディションを見据えている。路面温度が高くなるとタイヤへのダメージが大きくなり、タイムが落ちていく可能性が高い。
大きな問題はこのレースウィーク、スリックタイヤでの走行機会が一度もなかったことだ。つまり周回を重ねるとタイヤがどう変化していくのか?? 確認できないまま、決勝レースへ進むことになる。
レース距離は300km。長らくSUPER GTの基本的な距離で、ドライバー交代1回で走ることになる。今回は公式予選がウエットだったので、スリックのニュータイヤで63周のレースをスタートすることになる。
スタートドライバーは新田守男選手。19位からスタートすると、1つずつポジションを上げていく。3周目に17位に上がり、この調子が続く期待感があった。しかし4周目にFCY、一度解除されたものの、再び7周目にFCY。流れを分断されたような雰囲気だった。
レースペースは周囲のライバルたちと同じようなレベル。つまり次々とオーバーテイクしていくようなペースではない。それでも新田守男選手は、#56GT-Rや#20GR86と接近戦を演じていく。

ライバルたちよりも少し遅いタイミング、23周目にピットイン。これは混雑したピットレーンでのタイムロスを嫌ったためだ。ニュータイヤへの交換、給油、そして高木真一選手へのドライバー交代を行った。
全車がピット作業を終えた26周目、高木真一選手は17位のポジションとなっていた。しかしレースぺースに優位性はない。前を走る#60GRスープラに追いつくことはできたが、オーバーテイクする速さがない。
上位のマシンが脱落したことでポジションを14位に上げたところで、チェッカーフラッグを受けた。3年ぶりの表彰台に沸いた前戦とは極めて対照的な、何とも息苦しい、厳しいレースとなってしまった。

コメント

  • 影山正彦チーム監督
    影山正彦 チーム監督

    「昨日の予選結果で下位に沈んでしまったことが、やっぱり大きかったですね。ドライで追い上げるには速さが足りなかったし、厳しいレースになりました。次の最終戦に向けて、タイヤを含めてもう一度見直してのぞみます」

  • 新田守男選手
    新田守男 選手

    「想像していた以上に路面温度が上がってしまって、サーキットへ持ち込んだタイヤがマッチしなかったのが、今日のレースですね。レースのパフォーマンスが足りなかった。最終戦の鈴鹿はしっかりと取りたいですね」

  • 高木真一選手
    高木真一 選手

    「タイヤは思ったほどは落ち込みも小さく、マシンのセッティングでもタイヤを守る方向にしていたんですが、ちょっとヤリ過ぎてモテギで大事なトラクションが足りなかったな、というのがレースが苦しかった原因だと思います」

リザルト2024 AUTOBACS SUPER GT Rd.8 MOTEGI GT 300km

11/03 決勝レース モビリティリゾートもてぎ 天候:晴れ 路面:ドライ

Pos. No. Machine Driver Laps Time / Gap Best Lap Tire SW
1 88 VENTENY Lamborghini GT3
LAMBORGHINI HURACAN GT3 EVO2
小暮 卓史/元嶋 佑弥
59 1:55'28.374 1'50.411 YH 50
2 65 LEON PYRAMID AMG
Mercedes AMG GT3
蒲生 尚弥/篠原 拓朗
58 1 Lap 1'50.383 BS 50
3 18 UPGARAGE NSX GT3
Honda NSX GT3
小林 崇志/小出 峻
58 1 Lap 1'50.453 YH 4
4 87 METALIVE S Lamborghini GT3
LAMBORGHINI HURACAN GT3 EVO2
松浦 孝亮/坂口 夏月
58 1 Lap 1'49.735 YH 18
5 7 Studie BMW M4
BMW M4 GT3
荒 聖治/N. クルッテン
58 1 Lap 1'49.987 MI 35
14 96 K-tunes RC F GT3
LEXUS RC F GT3
新田 守男/高木 真一
58 1 Lap 1'51.285 DL 18

ファステストラップ 1'49.735 #87 坂口夏月
※タイヤ BS=ブリヂストン DL=ダンロップ MI=ミシュラン YH=ヨコハマ

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