K-TUNES RACING

2023 Series Preview昨年と全く同じチーム体制で望む2023年シーズン
チャンピオン争い可能なポジションへの復帰を狙う

K-tunes Racing誕生以来、10年という時間が流れた。2013年、岡山国際サーキットで開催されたトヨタ86によるGazoo Racing 86/BRZ Raceからスタートした岡山トヨペットの社内レーシングチームは、そこからわずか6年後、国内最高峰のツーリングカーレース、SUPER GTにたどり着いた。そして5シーズン40戦を戦い、すでに4勝を記録している。

2023年シーズンは、K-tunes Racingにとって11年目。10年という一区切りを終え、新たな飛躍が期待されるシーズンといえるだろう。
果たして2023年のチームは、2022年と何も変わらない陣容となった。
ドライバーは新田守男選手と高木真一選手。昨年ゴールデンコンビ復活と話題となった2人は、通算14シーズン目を戦うことになった。チームによっては第3ドライバーを登録しているケースもあるのだが、K-tunes Racingはあくまでも2人のドライバーで戦っていく方針だ。
お互いを熟知しているコンビが生み出す妙技が、96号車の成績にも大きく貢献してくれることだろう。新田守男選手が通算22勝、高木真一選手が通算21勝というGT300クラスの勝利数1位と2位の記録も、ぜひ伸ばしてもらいたいところだ。
ちなみに2人の年齢合計は開幕戦の時点では108歳、5月6日に高木真一選手が誕生日を迎えて109歳となる。
その2人をまとめるのは、影山正彦チーム監督だ。K-tunes RacingがSUPER GT参戦した初年度からチームのマネージメントを担っている。SUPER GTの前身である全日本GT選手権で、GT-1クラス(現在のGT500)でチャンピオン経験を持つドライバーだけに、2人のレジェンドドライバーに適切なアドバイスをし、コントロールしている。
また今シーズンはスーパー耐久シリーズにドライバーとして久々のフル参戦。現役ドライバーとして得られる最新の知見もまた、96号車へフィードバックされることだろう。

シリーズは全8戦を、国内の6つのサーキットで戦うという構成は変わっていない。それぞれのサーキットでの開催時期もほぼ同じ。ただ昨シーズンに3つの大会で450kmへとレース距離が伸ばされたが、今シーズンはさらに2つの大会がそこに加わったことで、450kmレースが5回、300kmレースが3回ということになっている。
マシンはLEXUS RC F GT3。これもまたK-tunes RacingがSUPER GT初年度から使用してきた、トヨタ唯一のGT3マシン。デビューから時間は経っているものの、そのポテンシャルはGT3マシンとしてトップクラス。搭載される5.4リッターV8エンジンは、GT300クラスのGRスープラなどにも搭載されるなど、現在も多くがGT300クラスで戦っている。
ライバルとなるGT300マシン(旧JAF-GT)と異なり、GT3マシンはアップデートができない。FIAの許可を受けたパーツで構成されたマシンでなければならないからだ。それでもマシンの細かなセッティングによって、少しでも速さを引き出せるように、チームはデータを積み重ねてきている。

やはりカギを握るのはタイヤだ。K-tunes Racingにとっては、4シーズン目のダンロップタイヤとなる。その間もダンロップタイヤでSUBARU BRZがチャンピオン獲得したり、同じGT3マシンのGT-Rが活躍したりしているのだが、当初はRC F GT3とのマッチングは十分ではなかった。それが年々改善されていき、パフォーマンスも成績も少しずつ上向いている。
SUPER GTを運営するGTAはタイヤにより耐久性を高める方針を求めており、レースウィークにサーキットへ持ち込めるドライタイヤの数も、これまでの6セットから5セットへとレギュレーションが変更されている。走行するセッションは減らないので、タイヤメーカーは昨シーズンよりも耐久性を高めたタイヤを供給することが求められる。ダンロップタイヤも今シーズンに向けた新しいスペックを投入、岡山での公式テストでは新田守男選手からポジティブなコメントも出ている。
速さと耐久性のバランスは実際に走らせてチェックする以外にないのだが、富士の公式テストが雨で、ドライタイヤのチェックが全くできなかったことが悔やまれる。そういう意味では、シーズン序盤は意外性のある結果が出る可能性がある。

昨シーズンの成績は、8戦中入賞(10位以内)が6戦と高い確率で入賞したものの、最上位は5位に留まり、表彰台には届かなかった。ドライバーズランキングは16位、チームランキングが14位というシーズンだった。 影山正彦チーム監督は「トラブルのあった2レースを除いて、6レースで入賞できたのは良かった」としながらも、「目標としていた表彰台に届かなかったのは、やはり残念でした。今シーズンも表彰台という目標を狙うと同時に、チャンスがあれば優勝を勝ち取りたい。そして最終戦でチャンピオン争いに加われるような展開にしていきたいですね」とコメントしている。

カレンダー

2023 AUTOBACS SUPER GT カレンダー

Rd.開催日程開催サーキットレース距離
第1戦4月15日(土)〜16日(日)岡山県 岡山国際サーキット300km
第2戦5月3日(水・祝)〜4日(木・祝)静岡県 富士スピードウェイ450km
第3戦6月3日(土)〜4日(日)三重県 鈴鹿サーキット450km
第4戦8月5日(土)〜6日(日)静岡県 富士スピードウェイ450km
第5戦8月26日(土)〜27日(日)三重県 鈴鹿サーキット450km
第6戦9月16日(土)〜17日(日)宮城県 スポーツランドSUGO300km
第7戦10月14日(土)〜15日(日)大分県 オートポリス450km
第8戦11月4日(土)〜5日(日)栃木県 モビリティリゾートもてぎ300km