K-TUNES RACING

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2023.8.26-27 鈴鹿サーキット2位スタート! ファステストラップ獲得! ノーミス!
それでも勝利には遠く、8位入賞に留まる

ラフな計算上、トラブルさえなければ優勝していた前戦富士。ダンロップタイヤの進化もあり、LEXUS RC F GT3はかつてのような速さを取り戻していると言って差し支えないだろう。その幻となった勝利の可能性が偶然ではないことを、K-tunes Racingは今回の鈴鹿で証明してみせなければならない。

鈴鹿サーキットがマシンにマッチしたコースであることは、これまでの戦績から見ても明らかだ。ドライバーにとってチャレンジングなコースと言われ、その分だけマシンには高い運動性能が求められる。ハンドリングマシンとして仕立てられたRC F GT3にとっては、まさにジャストフィット。ライバルには、より軽量でハンドリングに有利なGTA-GT300マシン(旧JAF-GT)も存在するが、パワフルなGT3マシンのほうがコース後半のレイアウトでは有利だ。
今シーズンはまだ入賞が1度しかなく、獲得したポイントは2。96号車のサクセスウエイトはわずか6kgという寂しい状況だが、チャンピオンシップを争う上位陣に対するアドバンテージでもある。タイヤに厳しいコースなだけに、サクセスウエイトの大きなマシンはその負荷の影響を受けることだろう。
舞台は、まるでK-tunes Racingのために整えられているかのようにも思えた。

公式予選を前にした、午前中の公式練習で、96号車は4位のタイムを記録。その上位3台は#61BRZ、#50RC F、#27NSXと、ハンドリング優位なマシンが並んだ。しかも、単に好タイムを出しただけでなく、セットアップの微調整にも余念がなかった。ピットインを何度も繰り返し、より精度を高めたセットアップを追求していった。450kmというロングランゆえに、タイヤの耐久性も重要な要素になる。
路面温度は午前中だというのに46℃。公式予選の行われる午後の温度に近いこともあり、この公式練習の勢力図がそう大きく変わらないだろうという予感があった。

暑さ対策もあり15時20分と遅めに設定された公式予選だったが、それでも気温32℃、路面温度52℃というホットな世界だった。新田守男選手はA組、セッション開始から1分ほど待ってコースインした。早々とタイムアタックに入った#61BRZ井口卓人選手が1分58秒975を出す。新田守男選手もタイムアタックに入るが2分00秒094と、公式練習の時の59秒台に届かない。2度目のタイムアタックでもタイム更新はできず、あわやQ1敗退と思われたが、ギリギリ8位で予選Q2進出を決めた。
新田守男選手から高木真一選手へフィードバックがあり、マシンはさらに微調整を受けた。予選Q2はどれほどタイムアップするのか? 期待が集まる中、予選Q2が始まる16時過ぎで路面温度は48℃に低下していた。

最初にアタックを見せたのは#87ランボルギーニ松浦孝亮選手で、1分58秒697。これは予選Q1での#61BRZのタイムを上回る。が、そのドライバー山内英輝選手はなんと1分57秒608というスーパーラップ。1秒も上回ったのだ。そして注目の高木真一選手は、1分58秒133で2位! 57秒台には届かなかったものの、予選Q1から2秒近いタイムアップを果たしてみせたのだ。
ポールポジションは#61BRZとなったが、これにはひとつの記録が絡んでいた。GT300クラスのポールポジション記録が14回となり、山内英輝選手が最多記録を更新したのだ。それまで13回で並んでいたのが高木真一選手であり、その2人がフロントローにマシンを並べることになったのも、なにか因縁めいたものを感じる。

96号車にとってフロントローからのスタートは2022年第3戦鈴鹿以来。そのレースでは7位でフィニッシュしている。もっと上位の結果が欲しいところだ。
スタートドライバーは新田守男選手。スタート直後から#61BRZが逃げ出し、96号車は離されていく。後ろからは#4AMGと#88ランボルギーニがピタリと隙を伺っている。新田守男選手のペースは次第に苦しくなっていく。7周目には2分03秒台、8周目には2分04秒台と周囲のマシンよりも秒単位で遅くなってしまっている。
FCYを間に挟んで、11周目に解除されると、もう新田守男選手にポジションをキープする力は残っていなかった。18周目には7位にまでポジションをダウンしてしまうことになった。その原因はタイヤの内圧が高くなってしまったことで、タイヤのグリップダウンを引き起こしていたためだ。
緊急ピットインでタイヤだけを交換するべきか?? しかしK-tunes Racingは当初の計画通りに、新田守男選手がミニマムの周回数を走り切ってから、ドライバー交代を含めたフルサービス(燃料補給とタイヤ4本交換)を行うことにした。その間、2分07秒台という周囲よりも3〜4秒もスローなペースでの走行を余儀なくされ、トップグループから大きく引き離されてしまう。

そして23周目、高木真一選手へとドライバー交代し、フルサービスを受けた。20位にまでポジションを落としたが、ペースはトップグループと同等に戻った。あとは順位を上げていくだけだ。
快調なペースで8位にまでポジションを戻した41周目に2度目のピットイン。ドライバー交代せずに、燃料補給とタイヤ4本を交換。ここでもピットワークにミスはなく、素早くマシンをコースへと送り出した。
ニュータイヤを得た高木真一選手はさらにペースを上げ、44周目にはこのレースのファステストラップとなる2分01秒338を記録。その後50周目あたりまでは、GT300クラス最速のペースで周回を重ねた。
コース復帰時には14位だったポジションも着実に取り返し、57周目にトップ10入り、61周目に9位へと駆け上っていた。レースは残り10周以下、前を走る#27NSXとの差は6秒以上あったのだが、それを高木真一選手は諦めずに追い詰めていく。そしてファイナルラップ、見事に捉えて8位へ。そしてチェッカーフラッグを受けた。
最終的なリザルトでは1周遅れとなったのだが、実際のトップとの差は約40秒。レースラップではトップグループを上回るほどの速さを見せていただけに、残念な結果に終わったといえるだろう。

コメント

  • 影山正彦チーム監督
    影山正彦 チーム監督

    「フロントローからのスタート、ファステストラップも取った、だけど結果は8位というのは、ちょっと残念なレースでした。マシンの速さはあると思うんですが、なかなか上手くいかないですね。新田選手が苦しんだ内圧のデータがあったので、高木選手はしっかりと合わせて追い上げてくれました。次のSUGOこそは結果を出して、応援してくれている皆さんにお礼したいです」

  • 新田守男選手
    新田守男 選手

    「タイヤの内圧が高すぎて早いタイミングでペースが悪くなってしまいました。ボクのミニマム(最少周回数)まで我慢して走ったんですが、順位もタイムも失ってしまいました。早めにタイヤ交換したほうが良かったかもしれませんね。まだまだチームでできていない部分があって、今回もいろいろな反省点もあって、こういうレースをしていてはいけないな、と思っています」

  • 高木真一選手
    高木真一 選手

    「新田選手が内圧で苦しんだので、ボクの時はしっかりと修正ができました。それでレースラップは悪くなかったので淡々と追い上げていけた、と思います。最後ファイナルラップでもオーバーテイクできて、8位になることができました。結果は残念な部分もありますが、データはしっかりと取れているので今後のレースに活かせると思います」

リザルト2023 AUTOBACS SUPER GT Round.5 SUZUKA

08/27 決勝レース 鈴鹿サーキット 天候:晴れ 路面:ドライ

Pos. Car No. Machine Driver Laps Time / Gap Best Lap Tire SW
1 18 UPGARAGE NSX GT3
Honda NSX GT3
小林崇志/小出 峻
71 2:33'56.380 2'01.937 YH 60
2 87 Bamboo Airways ランボルギーニGT3
LAMBORGHINI HURACAN GT3
松浦孝亮/坂口夏月
71 1.008 2'01.949 YH 12
3 61 SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ GT300
井口卓人/山内英輝
71 2.730 2'01.549 DL 33
4 88 JLOC ランボルギーニGT3
LAMBORGHINI HURACAN GT3
小暮卓史/元嶋佑弥
71 3.780 2'02.176 YH 24
5 4 グッドスマイル初音ミクAMG
Mercedes AMG GT3
谷口信輝/片岡龍也
71 7.504 2'01.726 YH 9
6 31 apr LC500h GT
LEXUS LC500h
嵯峨宏紀/小高一斗
71 14.985 2'02.24 BS 27
8 96 K-tunes RC F GT3
LEXUS RC F GT3
新田守男/高木真一
70 1Lap 2'01.338 DL 6

ファステストラップ 2'01.338 #96 K-tunes RC F GT3/高木真一
※タイヤ BS=ブリヂストン DL=ダンロップ MI=ミシュラン YH=ヨコハマ

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