K-TUNES RACING

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2022.11.5-6 MOTEGI不本意な予選からの巻き返しに成功
脅威的な追い上げで6位入賞!

シーズンの終わりを告げる最終戦の舞台はモテギ。サーキットの名前はツインリンクもてぎから、モビリティリゾートもてぎへと変更されたが、実際の中身は何も変わっていない。この大会で3年ぶりにパドックへの観客入場が可能となり、2019年シーズンまで印象的だったグランドフィナーレも復活。いよいよポスト・コロナ時代へと、ステアリングは切られた。

K-tunes Racingとしても、SUPER GT参戦5年目のシーズンの締めくくりとなる通算40戦目。ここまで7戦のうち5戦で入賞を果たしているが、表彰台などの大量得点がなかったこともあり、ドライバーズランキングは15位と低迷している。シーズン当初からの目標であった表彰台獲得へ向けて、チャレンジするしかない。
11月のモテギは、もはや初冬である。空気はピシッと音を立てるかのように締まり、空気密度が上がるのでエンジンパワーも高まる。ただしストップ・アンド・ゴー(タイトコーナーとストレートの組合せで、フルブレーキング+フル加速となる)のコーナーが多いモテギでは、そもそも燃費が厳しいのだが、それがエンジンのパワーアップ分だけ、さらに加速することになる。

公式練習でタイヤのチェックを行い、ソフトではなく、ミディアムを選択することを決めた。レースでの耐久性の面で有利なだけでなく、フィーリングの面でも優れていたためだ。朝は空を覆い尽くしていた雲が晴れ、強い陽差しが降り注いでいたことも、後押ししたのかもしれない。
もちろん予選でのアタックでは不利となる可能性はあるが、決勝レースでの終盤の追い上げが可能になる。

予選Q1は、高木真一選手が担当した。ほぼ3周を使ってウォームアップを行い、タイムアタックに入った。最初のタイムは1分46秒162。2度目のアタックでは1分45秒995へタイムアップ、見事に5番手タイムでQ2進出を果たした。
マシンのフィーリングも良好で、決勝レースを重視したミディアムタイヤでも、好タイムをマークすることができた。チームの期待感は高まっていた。
予選Q2、新田守男選手は、高木真一選手からのフィードバックを得て、タイムアタックのためにタイヤをキッチリとウォームアップさせていた。そしてアタックに入ろうとしたまさに、そのタイミングで、61号車BRZが最終コーナーの立ち上がりでスピン、コンクリートウォールにクラッシュしてしまった。予選は赤旗中断。

仕切り直しとなった予選Q2、残り時間は5分に設定された。新田守男選手は、再びタイヤをウォームアップさせていく。そしてアタックラップに入る直前、最終コーナーの立ち上がった他車との接触を回避。その影響でマシンのバランスを崩して痛恨のスピン。まるで61号車と同じようなアクシデントではあったが、幸いなことにクラッシュはしなかった。しかし予選時間は終了。タイムアタックできず、ベストタイムはウォームアップ中の1分59秒124。予選は15位に終わった。
予選上位からのスタートとはならなかったが、それでもレースペースが良いこと、そしてタイヤの耐久性に期待できること、決勝レースに向けてポジティブな要素をK-tunes Racingは手にしていた。

翌日の決勝レース、陽差しは前日よりも強く、気温も上昇していた。96号車にとっては、有利なコンディションになっていった。
スタートドライバーは新田守男選手。そのオープニングラップで、やや混乱した状況の中で新田守男選手は2台のマシンをオーバーテイクし、13位へとポジションを上げた。しかし2周目以降は、そう簡単ではなく、順位を上げることはできなかった。
しかし8周目、4台のマシンがリタイヤに追い込まれるという、大きなクラッシュが発生。セーフティカーが入り、マシンの撤去や散乱したパーツの回収を行った。作業が終了し、GT500とGT300にクラス分けを行い、いよいよ再スタートへの準備が整ったように見えた。しかし、今度はストレート上で2台のマシンが激しくクラッシュ。再度コース整備が必要となってしまった。
2つのクラッシュに対応したことで、長いセーフティカーランとなった。その時間はなんと32分。周回数にして10周が費やされた。全てのマシンは、ガソリンも減らず、タイヤも磨耗していない。

そして19周終了時点で、セーフティカーは解除され、再スタートとなった。K-tunes Racingは、そのタイミングでマシンをピットへと戻した。当初より計画していた通り、最少の周回数でのドライバー交代を実施したのだ。早めにドライバー交代をし、速いペースで追い上げてライバルたちがピット作業している間に前へ出る、いわゆるアンダーカットを狙ったものだ。
コースに戻った高木真一選手は、21位となっていたが、ペースは周囲のマシンよりも明らかに速かった。96号車がコース上でオーバーテイクを展開していく。早くも30周目には、交代時と同じ13位へとポジションを戻すことに成功。36周目には10位となり、入賞圏内へ。全車がドライバー交代を終えた39周目には、7位へとポジションを上げていた。
さらに他車のトラブルもあり、42周目には5位に。ただ、その後はペースが徐々に苦しくなり、最終的には6位でチェッカーを受けた。
2022年シーズン、8戦中6戦で入賞を果たすという、安定感の高い結果を残すことができた。それはやはり新田守男選手と高木真一選手というゴールデンコンビの成せる技、ということなのだろう。

コメント

  • 影山正彦チーム監督
    影山正彦 チーム監督

    「今日の決勝レース、15位という不本意な位置からのスタートでしたが、2人のドライバー、ピット作業、チームの戦略など、全てがかみ合った結果、6位入賞をすることができました。シーズンを締めくくるにふさわしいレースができたと思います。今シーズンは入賞6回と、安定した成績を残すことができました。チーム関係者、スポンサーの皆さん、そして応援してくれたファンの皆さんに、深く感謝します。本当にありがとうございました。」

  • 新田守男選手
    新田守男 選手

    「オープニングラップで2台は抜けたんですが、その後は前でバトルしていたこともあって、なかなか並びかけるところまで行けませんでした。それで長いセーフティカーになったわけですが、当初のプラン通りにミニマムでドライバー交代&タイヤ交換してアンダーカットする、というのを狙いました。結果的にそれが上手くいって6位入賞できました。今シーズンも応援ありがとうございました。また来年もよろしくお願いします。」

  • 高木真一選手
    高木真一 選手

    「早めにドライバー交代したので、第2集団の5位争いをしていたマシンがドライバー交代して次々と目の前に出てきて、当然彼らはタイヤが冷えているのでオーバーテイクしていくことができました。それが順位を大きく上げることができた要因です。最後のほうはタイヤがちょっと厳しくなってしまいましたけど、ファイナルラップでオーバーテイクもできて、シーズンの締めくくりとしてはいいレースにできた、と思います。応援、ありがとうございました。」

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