K-TUNES RACING

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2022.8.6-7 富士スピードウェイドライバー×タイヤ×ピットワーク
全てが機能し苦手・富士で5位入賞

AUTOBACS SUPER GT 2022 第4戦が、静岡県富士スピードウェイで8月6日(土)〜7日(日)に開催された。夏らしくない不安定な天候の中、夏休みらしい子供連れの観客の姿も見られた。

今シーズンから導入された1.5倍レース。通常の300kmというレース距離を、1.5倍の450kmとして、第2戦富士、今回の富士、そして第5戦鈴鹿の3レースが設定されている。K-tunes Racingにとっては、その長距離レースは得意ではなかった。その理由はLEXUS RC F GT3の燃費が不利で給油時間が長くなること。そのためピットストップのロスタイムが長くなり、結果としてコースに戻ると順位を大きく下げてしまう、というのがパターンになっているからだ。
もちろん、状況をそのまま受け入れるわけにはいかない。給油を含めたピット作業全体を見直し、ロスタイム圧縮のためにチームはさまざまな検証とトライをしてきた。

真夏の長距離レースということで、タイヤのパフォーマンスがいつにも増して重要となった。もし真夏の気温となり、その熱でタイヤが急速に磨耗してしまえば、ペースが大幅に低下し、タイヤ交換によるピット回数が増えたり、最悪バーストしてしまえばクラッシュする危険性もある。そのためK-tunes Racingは高温に対応したハードタイヤをメインに、サーキットへと持ち込むことになった。

異例なほど梅雨明けが早かった日本列島だが、夏となったものの不安定な天候が続いている。このレースウィークでも、公式予選が行われる土曜日は夏としては異例なほどの低温で、翌日の決勝レースのタイミングでは快晴で高温、というコンディションが予報されていた。
高温に対応したハードタイヤは、低温ではグリップしない。そのため公式予選はミディアムタイヤを使用することになった。高温となる決勝レースはスタート時に公式予選で使用したタイヤを装着することになり、最初のタイヤ交換までは厳しい展開が予想された。
K-tunes Racingの一発の速さは、すでに証明済み。予選Q1では高木真一選手が6位でQ2進出を決めると、予選Q2でも新田守男選手が6位となり、3列目という好位置からのスタートとなった。

快晴となった決勝レースの朝、しかし天気は急変し、レースのスタート直前ににわか雨が。しかし少量だったため路面はすぐに乾き、湿度と不快指数だけが高まった。
スタートドライバーは新田守男選手が担当。K-tunes Racingの通常パターンなら、高木→新田→高木という継投になるはずだが、今回は逆のパターンとなった。スタートタイヤの耐久性を踏まえ、最初のタイヤ交換を早めに行う狙いだ。
そのにわか雨によって路面温度が低下した影響なのか、新田守男選手はペースに苦しみ、10位までポジションを落としてしまう。ライバルたちに先んじて17周目に高木真一選手へとドライバー交代し、タイヤは新品のハードタイヤへと交換された。このタイヤが本領を発揮、ライバルよりも速いペースでポジションを上げていく。
コースに戻った時に22位だったが、オーバーテイクシーンも何度か見せながら、36周目には10位へとポジションを戻していた。それでもペースの低下は小さく、今回のレースに用意されたダンロップタイヤがマッチしていたことは明らかだった。

その後も高木真一選手は安定して速いレースラップを刻んでいった。そして燃料タンクも軽くなったドライバー交代直前のタイミングで、高木真一選手のベストラップが記録。そして62周目にピットインするタイミングでは、96号車は2位とモニターに表示されていた。
再びステアリングを握った新田守男選手もまた、9位でコースに復帰すると速いペースで追いあげていく。トップ10圏内でも96号車の速さは十分で、最終的に5位という結果となった。3戦連続の入賞、シリーズランキングでも9位へとランクアップを果たし、シーズン後半をスタートで大きな成果を挙げることができた。

レースコンディションにマッチしたダンロップタイヤ、レース戦略の中でも速さを見せた2人のドライバーが大きな役割を果たした。しかし通常の1回ではなく、2回となるピット作業をミスなく、キッチリと実施することができたチームメカニックたちの仕事もまた、それを支える重要なカギとなった。取り組んできたピット作業のチェックと効率化が、今回のレースの大きな成果ともいえた。

コメント

  • 影山正彦チーム監督
    影山正彦 チーム監督

    「最後まで緊迫感のある、いいレースができた。予選は2人のドライバーの頑張りで6位という好結果を出せたこと、そして今日の決勝レースもまた、ドライバーの走りも良かったですし、チームも2度のピット作業をミスなくこなすことができたことが、5位という結果につながりました。まだまだ進化しなければならない部分もありますが、次に期待が持てるレースだったと思います。」

  • 新田守男選手
    新田守男 選手

    「もう少し前で終わりたかったですけど、これまで苦手としてきた富士で、いいレースができたのではないかと思います。ライバル勢にトラブルが無かったら、もっと離されてしまったかもしれませんけど、それでも先が見えるようなレースだったと思います。次は得意の鈴鹿ですが、今回のデータも活かして、もっと前にいきたいですね。」

  • 高木真一選手
    高木真一 選手

    「予選から新田選手の頑張りで6番手スタートということで、スタートではソフトなタイヤだったので苦労したと思います。ハードでの走りはフィーリングも良くて、ペースも悪くなかったと思います。同一周回のマシンを何台かオーバーテイクすることもできました。タイヤの進化もあって、いよいよ表彰台が見えてきたのかな?? という気がしています。」

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