K-TUNES RACING

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2022.4.16-17 岡山国際サーキット久しぶりのフロントローを手にした予選
決勝でも速さはあったがリタイヤに終わる

それにしても大きな反響だった。かつてのゴールデンコンビがK-tunes Racingで復活、というビッグニュースの余波は、開幕戦の岡山国際サーキットでもまだまだ残っていた。かつてGT300クラスをリードしてきた新田守男選手と高木真一選手のコンビネーションが、12年のインターバルを経てどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか?? その期待に、公式予選で見事に応えてみせることになった。

午後の公式予選を前にした、午前中の公式練習。96号車は6番手タイムをマークした。トップから0秒640遅れとなったが、これは予選アタックを想定したGT300クラス専有走行枠でのタイムではない。つまり、この日のコンディションでRC F GT3は速さを見せていたのだ。
新田守男選手は「朝イチの気温が低い時はイマイチだったけど、気温が上がってきたらテストの時の良いフィーリングを取り戻すことができて、悪くないと思います」と、ポジティブな答えが返ってきた。

予選Q1を担当したのは新田守男選手。肌寒ささえ感じた午前中とは異なり、予選が始まる頃には日差しが強くなっていた。それでも午前中の速さはそのまま引き継がれ、A組4位のタイムでQ2進出を果たした。予選でも十分な競争力があることを見せた。
予選Q2までのわずかなインターバル、RC F GT3で初めての予選に向かう高木真一選手に対して、新田守男選手はこの日のコンディションへの対応を含めて、細かくアドバイスを行っていた。そのアドバイスに従い、新田守男選手と同じようにタイヤをウォームアップさせ、タイムアタックに入った。そのタイムは1分24秒368で、ポールポジションの#61BRZに届かなかったものの、その差は0秒082。見事に2位、フロントローからのスタートを手にすることになった。
この予選Q2、気温がやや低下したこともあり、Q1に対して全体的にタイムアップし、9位までがコースレコードとなった。GT300クラスもまた、速さを高めている。

決勝レース当日、雲の少ない快晴の岡山国際サーキットは、シーズン開幕戦を祝うかのようだった。K-tunes Racingにとっても、2020年10月の第6戦鈴鹿でのポールポジション以来のフロントローからのスタートだけに、期待感が高まっていた。復活したゴールデンコンビが、その初戦でホームコースでの活躍という快挙は、どのような結果へとつながるのか??
スタートドライバーは新田守男選手。注目されたスタートシーンだったが、ミスなく#61BRZに着いていった。しかし瞬発力のあるGT-R勢に迫られ、1コーナーで#10GT-Rに先行を許し、その後も防戦できずにオープニングラップを5位で終えた。

しかしレースラップはそれほど悪くはなかった。トップの2台のペースには届かなかったが、それ以外のマシンたちとはほぼ対等。新田守男選手は5位のポジションをキープしながら、レースを進めていく。ダンロップタイヤも期待に応え、大きなタイムダウンもないまま、ドライバー交代のタイミングを迎えた。
岡山国際サーキットのピットは狭い。そのため隣のピットのマシンがピット作業を行っていると、マシンを真っ直ぐに停めることができず、斜めに停めることになる。これは再スタートの時にマシンをメカニックが押し戻す必要があるため、大きなタイムロスが発生してしまう。
それを避けるため、K-tunes Racingはピット作業のタイミングを遅らせる選択をした。そのため24周目から出始めたピット作業を、31周目まで待つことになった。このピット作業でややタイムロスしてしまい、高木真一選手がコースに戻ると、実質8位のポジションとなっていた。だがレースペースは周囲のライバルたちよりを上回り、前のマシンとの差を着実に詰めていく。5位を走っていた#7BMWのペースが苦しく、またブロックも強かったこともあって後続のマシンを抑えていたこともあり、高木真一選手は50周目にはその集団に追いつくことができた。

55周目、高木真一選手の前を走っていた2台がコースオフし、96号車は難なく6位へとポジションを上げた。4位のマシンとは大きな差があり、アクシデントが無ければ追いつく可能性はない。実質的にオーバーテイクできるのは、あと1台か。
高木真一選手は前を走る#7BMWをプッシュ、ペースは明らかに96号車のほうが速そうだが、岡山国際サーキットではオーバーテイクが難しい。相手は強力なターボエンジンによってストレートが速かった。

そして61周目、GT500のマシンがオーバーテイクしたタイミングを活かして、高木真一選手はヘアピンのブレーキングでマシンを並び掛けオーバーテイク。しかし減速が足りずオーバースピードとなってしまい、GT500のマシンに追突して2台はスピン。96号車はフロント部分にダメージを負ったが、走り出してみると「ハンドリングに問題はなさそうだった」(高木真一選手)こともあり、ピットには戻らずにそのままレースを続行することになった。マシンの外観も、左のヘッドライトが脱落した以外は、大きなダメージは見えていなかった。
最終コーナーを立ち上がり、ストレートを加速していく。速度が上がり空気の力が大きくなると、96号車のエンジンフードのロックが外れてしまい、フロントスクリーンを覆い隠してしまった。視界を奪われた高木真一選手は、コースサイドへとマシンを停めるためにステアリングを右へ。しかし速度が高かったこともあり、そのままコンクリートウォールへ接触、スピンしながらコースを横断して1コーナーでストップ。リタイヤとなった。(周回数が70%を超えていたので、27位完走扱い)

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監督、ドライバーがレース中の秘話などを語り尽くす。
あのシーンの裏話も聞ける!

コメント

  • 影山正彦チーム監督
    影山正彦 チーム監督

    「新しいメンバーも加入して、チームも一新された中で予選2位という結果を残せたことは良かったと思います。決勝のペースも優勝を狙うにはまだ足りませんが、ライバルに引き離されることなく、自力でポイントを取れるような位置でレースを戦うことはできました。最終的にクラッシュ、リタイヤという結果になってしまったことはとても残念ですが、次戦でいい結果が残せるように臨みます」

  • 新田守男選手
    新田守男 選手

    「スタートで前に出られてしまいましたけど、想定された通りといえば、そうですね。それでもレースでのペースは悪くなく、後ろを抑えながら順位をキープできました。ボクたちの課題である中盤以降のタイムの落ち込みは、だいぶ改善しましたけど、もう一歩ですね。高木選手のクラッシュは残念ですけど、ケガがなかったのは幸いですね」

  • 高木真一選手
    高木真一 選手

    「本当にスイマセンでした。チームの地元岡山で、ポイント圏内を走っていたんですけど、こういう結果になって申し訳ないです。5位争いの集団に追いついて、タイヤをキープしながら追いあげるタイミングを待っていたんです。ライバルの後退もあって、最後の1台をオーバーテイクする時に、ブレーキングを遅らせ過ぎてしまいました。期待に応えられなくて、申し訳ないです」

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