K-TUNES RACING

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2021.11.6-7 ツインリンクもてぎ予選は大幅なセット変更で乗り切ったが
決勝ではペースに苦しみ14位に終わる

2021年シーズンの第7戦は、今シーズン2度目のツインリンクもてぎ。K-tunes Racingは前戦オートポリスでの2位表彰台の勢いもあって、いい流れの中でもてぎに乗り込んだ。2019年の最終戦以来の、ほぼ2年ぶりの表彰台。しかも、そのサーキットは、ツインリンクもてぎだった。

この2年間、2020年から苦しんできた最大の要因は、ダンロップタイヤに対するデータやノウハウが十分でなかったことだ。タイヤの性能は、レースを大きく左右する。タイヤだけで1秒〜2秒が簡単に変わってしまう。それだけに2年間、K-tunes Racingはダンロップタイヤ攻略をメインテーマとして戦ってきたと言っていいかもしれない。
その成果がやっと実を結んだのがオートポリスでの2位であり、その流れがそのままツインリンクもてぎでも続くことが期待された。
しかし土曜日午前中の公式練習、その期待は見事に裏切られた。ベストタイムはトップと約1.5秒差の、28台の19位。予選Q2進出どころか、決勝レースでも下位に低迷しそうな感触だった。もちろん公式練習の2時間、セッティングをさまざま変更しながら、打開策を見いだそうとしたのだが、それはただただ時間を費やしただけだった。

最終戦のひとつ前のレースということで、サクセスウエイトはそれまでのシリーズポイント×3kgから×1.5kgへと半減した。しかしK-tunes Racingは前戦で大量得点したため、ライバルたちとは逆に、24kgから35kgへと増えてしまっていた。それがタイムに影響することは間違いないが、しかし、それ以上にタイヤの性能を引き出せていないことが、大きな問題だった。
路面温度はオートポリスと同じようなものだが、路面も違えば、コースの特性も違う。それにダンロップタイヤを十分にフィットさせられていない。それがタイムが伸びない原因だった。

予選を前にして、影山正彦チーム監督、新田守男選手と阪口晴南選手を中心に、チームはさまざまなアイディアを探った。そして出た結論が、大幅なセットアップの変更だった。それまでのセットアップの微調整では十分なポテンシャルアップは期待できず、決勝レースで上位を戦うためには、大幅な変更が不可避だったのだ。
もちろん、リスクはある。事前にチェックできる走行枠はなく、いきなり公式予選で走り始めることになる。そのセットアップが外れだった場合は、予選下位に沈むことになる。とはいえ現状の微調整でも、予選下位は変わらない。チャレンジあるのみ! 新田守男選手も阪口晴南選手も、その表情がこの日初めて前向きになった気がした。

予選Q1は阪口晴南選手が担当、予選終了間際にタイミングを合わせてコースイン、一度っきりのアタックへ。そのタイムは1分46秒873と、A組6番手を獲得。狙い通り、予選Q2へ進出を果たす。
そして、さらにチームは予選Q2へ向けてセッティングを修正、新田守男選手にマシンを託した。だが日が陰り路面温度が低下してしまったことが影響したのか、セッティングの修正は功を奏さず、1分46秒938とタイムを伸ばすことはできなかった。他のチームが0.5秒前後のタイムアップを果たしたこともあり、最終的には予選12番手という結果となった。
ただし午前中のタイムを考えると、予選Q2へと進出できたことだけでも、大きな成果に違いない。なにしろK-tunes Racingはここ最近、大幅なセッティング変更を施したことがなく、しかもブッツケ本番の公式予選でキッチリと成果を出すことできた。これはデータがある程度揃ったことで、セッティング変更による結果を推測することが可能になった、ということだからだ。

だがこの週末、いい流れは続かなかった。
予選から再度セッティングの修正が行われた96号車だったが、決勝レース直前のウォームアップ走行で十分な速さがないことが判った。わずかなコンディションの変化がタイヤの性能を発揮しにくくし、タイムを落とす原因となった。
それでも12番手からのスタート、K-tunes Racingは10位以内、シリーズポイント獲得を狙い、決勝レースに臨んだ。スタートドライバーは新田守男選手で、ベテランらしい冷静な判断で、混乱しやすいモテギのオープニングラップ、5コーナーでポジション争いをする先行するマシン2台をまとめてオーバーテイクし、10位に上がった。
しかしレースラップが悪く、その後は少しずつ前のマシンから遅れていき、後続のマシンから激しく追い立てられる状況へなっていった。ただし運はあった。6周目に12位となったが、9周目に上位のマシン2台がリタイヤとコースアウトとなり、再び10位へ復帰することはできた。

それでも先行するマシンについていくことはできず、どんどんギャップは拡がっていった。
阪口晴南選手へのドライバー交代は21周目。ライバルチームに先んじた、最も早いタイミングだった。タイトコーナーが連続しフルブレーキングからフル加速という、いわゆるストップ&ゴーのコースレイアウトとなっているモテギは、燃費に厳しい。早めのタイミングでドライバー交代すると、燃料はフルタンクになる。だがタイヤはニュータイヤへ履き替えており、阪口晴南選手の追いあげに期待が集まった。
コースに19位で戻った96号車は、ライバルたちがドライバー交代することで、少しずつポジションを取り戻すことができる。逆にいえば、それまでの間に、阪口晴南選手はマージンを稼いでおけば、コース上で争うことなくライバルの前に出ることができる。
25周目に18位、30周目に17位、35周目には16位と、ポジションは上がっていったが、そのテンポはゆっくりだった。ニュータイヤを得た阪口晴南選手でもペースを上げることはできなかったのだ。
47周目に上位のマシンがスローダウンし、11位へとポジションを上げた。しかしその後、タイヤが限界に達して大きくペースダウン。結局、トップから1周遅れ、14位でレースを終えた。

コメント

  • 影山正彦チーム監督
    影山正彦 チーム監督

    「公式予選前のセッティング変更が上手く行って、マシンの速さも取り戻すことができていたので、決勝レースも淡々と順位を上げていくことができるかな、と思っていたんですが、そんなに甘くはなかったですね。レースペースが予想以上に良くなかった、まぁ、今日は完敗ですね。ドライバーも、チームもノーミスでレースを戦ったのに、結果が出せないというのは、本当に残念です」

  • 新田守男選手
    新田守男 選手

    「スタート直後にバトルしていた前の2台を上手く抜くことができたんですが、その後はポジションをキープするのが精一杯でした。レースペースが悪くて、勝負にならなかったですね。まだまだマシンとタイヤのマッチングをしっかりとやっていかないと、レースにならないですね。そういう意味では、やはりボクたちの現時点での課題が、浮き彫りになってしまったレースですね」

  • 小高一斗選手
    阪口晴南 選手

    「オートポリスのいい流れを引き継ぎたかったですけど、コースも違うんですけど、コンディションが変ったり、他の要素もあって、オートポリスとは全然違って、苦戦しましたね。去年の苦しかったレースを想い出させるような、厳しいレースでしたね。現状の中から兆しを見いだして、チーム全体で進化できるように、最終戦に向けて努力していきたいです」

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