K-TUNES RACING

2021.10.23-24 オートポリスついにチームへ復帰の阪口晴南
その初陣で2位表彰台に立つ

全8戦で行われるAUTOBACS SUPER GTシリーズ2021。その第6戦が10月23日(土)〜24日(日)、大分県オートポリスで開催された。九州唯一のインターナショナルサーキットは、高低差の大きさを活かしたアップダウンのテクニカルなコースレイアウトで、ハンドリングマシンであるRC F GT3とのマッチングは悪くない。実際2018年には優勝している。

今シーズン始めから入国できなくなっていた外国人ドライバーの代役として、チームTOM'Sの37号車をドライブしてきた阪口晴南選手。開幕戦ではポールポジションを獲得するなど、GT500クラスのGRスープラでしっかりと仕事をしてみせた。最終戦を前にしてシリーズランキング4位で迎えるスーパーフォーミュラを含めて、阪口晴南選手の評価は高まり、次世代のトップドライバーへと着実に歩みを進めている。
その阪口晴南選手がシリーズ第6戦にして、ついにK-tunes Racingに復帰。外国人ドライバーがやっと入国できたことによって、元のレギュラーシートへと舞い戻ることになったのだ。

GT500からGT300へ、純レーシングカーのGRスープラから市販車ベースのLEXUS RC F GT3へ。いきなりの変化に大きな問題ないのか? しかし影山正彦チーム監督も、新田守男選手も、全く不安はなさそうだった。すでに過去2シーズンをフルに戦ってきたマシンは十分に習熟しているはずで、すぐに対応できるという。
むしろ不安といえばタイヤだった。昨年から使用してきたダンロップタイヤとは、少しずつ協力関係が深まり、チームもタイヤもノウハウとデータを積み重ねてきた。その進化した状況にすぐに対応することができるのか? 結果からいえば、それは完全に無用な心配だった。
予選を前にした午前中の公式練習、阪口晴南選手は2番手のタイムをマークする。上位に居並ぶのは今シーズン好成績を記録しているマザーシャーシのマシンたちで、軽量を活かしたハンドリングマシンたちの速さが目立った。その中に最重量級のRC F GT3が食い込んだのは、半ば驚きの状況となった。
阪口晴南選手は、いきなり結果を出すのが得意なのかもしれない。

そのタイムにチームは盛り上がり、またチームメイトである新田守男選手は刺激を受けたという。「現状のチームとマシン、タイヤでは、あれは驚異的なタイムだと思いました。自分には出せないな、と。それでも気を取り直して、ひとつずつ走りの細かな部分を見直して、セットアップも修正しました」という新田守男選手。
予選Q1は阪口晴南選手が担当。初冬のような寒空の下、タイヤのウォームアップにしっかりと時間を費やし、予選終了間際に5番手タイムをゲット。悠々と、無事Q2進出を決めた。その予選Q2では新田守男選手が快走、阪口晴南選手に肉薄するタイムで予選5位を手にした。今シーズンの予選最上位である。
復帰した阪口晴南選手によって、チームはさらに進化したように見えた。

決勝レース、スタートドライバーは新田守男選手が担当。スタートからGT300クラスの上位陣に大きな変動はなく、穏やかにレースは幕を開けたように見えた。しかしオートポリスではクラッシュシーンが発生することが多く、今回もまた序盤に2度のセーフティカーが入る展開となった。まずは8周目に単独のクラッシュが発生し、回収が済んだ15周目に再スタートとなると、さらに18周目に多重クラッシュが発生。2度目の再スタートは23周目で、その時点では周回数の半分以上をセーフティカーの下で走っていた。
当初チームが予定していたドライバー交代は20周前後だったが、まだタイヤには余裕も残されていた。新田守男選手はピットに向かう28周目まで、ハイペースを維持して、阪口晴南選手へ交代した。

ライバルチームのドライバー交代のタイミングはさまざまだったが、K-tunes Racingが選択した28周目は、比較的早めだった。コースに戻った阪口晴南選手は11位で、そこから他車のピットインによってポジションを戻していくことになる。まだ温まっていないタイヤでありながら、阪口晴南選手はすぐにハイペースでの走りを展開。29周目には強敵である#61BRZがピットアウトしてきたところをオーバーテイク、31周目には6位にまで順位を取り返した。その時点で上位4台はドライバー交代しておらず、実質的には2位。
40周目、全車がドライバー交代を終えて、タイミングモニター上でも96号車は2位と表示された。背後に居たはずのライバル#61BRZは、少しずつ離れていく。本来であれば40周前後を受け持つはずだった阪口晴南選手のタイヤは、30周+αへと短くなったこともあり、マージンは残されていた。#61BRZが追いあげてきた#52GRスープラとの激しい3位争いを展開、しかも徹底的に抑え込んだことも、96号車にはメリットとなった。

結局、レース終盤は単独走行に近い形となり、トップの#31プリウスに迫る速さはなかったものの、61周を走り切り、見事2位表彰台を獲得した。K-tunes Racingの表彰台は、今シーズン初めてであり、2019年最終戦以来、ほぼ2年ぶり。
阪口晴南選手のチーム復帰は、単に旧知のレギュラードライバーが戻ってきた、という安心感だけはなかった。GT500での武者修行の成果もあるのだろう、K-tunes Racing全体に新風を吹き込み、刺激したようだ。
残すは2戦。ともに得意とはいえないツインリンクもてぎと富士スピードウェイ。しかし、この流れであれば、何かが起きるかもしれない。第7戦ツインリンクもでぎは、11月6日(土)〜7日(日)に開催される。

コメント

  • 影山正彦チーム監督
    影山正彦 チーム監督

    「新田守男選手のペースも良かったし、ピットストップもスムーズにマシンを送り出すことができました。そして阪口晴南選手の走りもあって、本当に久しぶりの表彰台を獲得できました。チーム全体が上手く機能して手にすることができた成果だと思います。応援していただいていたファンの皆さんに、久しぶりにいい結果を報告できて、嬉しいですね」

  • 新田守男選手
    新田守男 選手

    「セーフティカーで助けられましたね。レースが普通に続いていれば2位は難しかったかな。ポジションを落とさないで走るのが精一杯だったので、本来のマシンのパフォーマンスを引き出すには、もっと進化が必要ですね」

  • 小高一斗選手
    阪口晴南 選手

    「まずは目標としていた表彰台を獲得できて、嬉しいですね。今まで得意としてきたピットアウトした直後の速さが、今回は活きたと思います。チームに復帰した初戦で、こういった結果を出せて、良かったと思います」

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