K-TUNES RACING

2020 Rd.7 Preview前回決勝レースで4位となったモテギ
低い気温を味方にすることができるか?

ついに残り2戦。スケジュールが大幅に変更され、開催サーキットも3つに限定されるなど、例年にない混乱した状況の中、2020 AUTOBACS SUPER GTはシーズンも大詰めを迎えている。第7戦はツインリンクもてぎ、そして最終戦は今シーズン4度目となる富士スピードウェイでの開催となる。

例年であればツインリンクもてぎでの開催は最終戦で、レース後のセレモニーの関係もあって250kmに設定されていたが、今シーズンは300km。ウエイトハンデも最終戦ならゼロとなるが、その直前なので半分となる。ブレーキに厳しいツインリンクもてぎだけに、ウエイトハンデがあり、300kmという距離を走るのは、負担が大きくなる。とくにランキング上位のマシンに厳しいレースとなることが予想される。
K-tunes Racingは、前戦鈴鹿で5位を獲得し、合計15ポイントとし、シリーズランキングは14位まで上がった。過去2シーズンでは2勝ずつ上げてきたチームとしては寂しい結果だが、シーズン当初からみればチームは着実に進化していることは間違いない。
気になるウエイトハンデは23kg。これは前戦が24kgだったので、ほんの少しだけ軽量化されたことになる。獲得ポイント×3kgから、×1.5kgとなったことで、ライバルたちは多くのウエイトを下ろすことができている。それでも上位のマシンでは、例えば前戦で100kgのハンデを負っていた#65AMG GTは77kgへ、#11GT-Rは62kgと、かなり多めのウエイトが残っている。

ツインリンクもてぎは、短いストレートをタイトコーナーで結んだ部分が多く、低速までのフルブレーキングと立ち上がりのフル加速を繰り返す、いわゆるストップ&ゴーのレイアウトになっている。そのためブレーキに対する負担はとても大きく、それをしっかりマネージメントすることが求められる。GT500は耐熱性に優れたカーボンブレーキが採用されているが、それでもモテギのコースは厳しいという。
ただ季節は11月を迎え、気温が下がり、タイヤのグリップも低下してくれれば、それほど大きな差は出にくいかもしれない。ブレーキよりもむしろ、低温下でどれだけタイヤがグリップ力を発揮してくれるか?のほうが重要かもしれない。タイヤの温まりやすさという部分では、ダンロップタイヤは有利なほうだ。
それでも鈴鹿のように、LEXUS RC F GT3にとって、得意なコースとはいえない。ストップ&ゴーだけに、コーナーからの立ち上がりでエンジンパワーが重要になり、ライバルたちのような大排気量か、ターボが欲しくなってくる。

前回の第4戦ツインリンクもてぎでK-tunes Racing 96号車は、見事に4位入賞を果たしている。ダンロップタイヤのマッチングが期待以上となった決勝レース、後半のスティントを担当した阪口晴南選手の追い上げによって、表彰台まであと一歩、というところまでポジションを上げてみせた。
前戦鈴鹿では、阪口晴南選手がSUPER GT初のポールポジションを奪取。決勝レースでは残念なことにタイヤトラブルによってポジションを失ってしまったものの、コースコンディションとピッタリとマッチすれば、K-tunes RC F GT3が十分な速さを発揮できることを証明してくれた。
ポールポジションを取りながら5位という結果だったが、チームは全く落胆していない。それは決勝レースでの苦戦が、ある程度予想されていたからだ。そして、その苦戦して得たデータによって、チームはまた一歩進化している。コンディションをいかに味方につけることができるか?それに必要なデータは揃ったのだろうか?

2020 AUTOBACS SUPER GT 第7戦は、11月7日(土)~8日(日)、栃木県・ツインリンクもてぎで開催される。