2020 Rd.6 Preview得意な鈴鹿で絶好のチャンス到来
2018年からの3連覇達成なるか?

折り返し点を過ぎた2020年シーズン、SUPER GTは残り3戦。第6戦の舞台は、第3戦に続いて今シーズン2度目の鈴鹿サーキットだ。この世界的にも有名なグランプリコースは、K-tunes Racingにとって、SUPER GTの初優勝を掴んだ記念すべきサーキットであり、2018年、2019年と連覇中でもある。
その好成績を収めてきた最大の理由は、いうまでもなくLEXUS RC F GT3にマッチしていることだ。さまざまな特徴を持つ個性的なGT300マシンの中で、エンジンパワーに優位性はないが、コーナリング性能の高さがライバルに対して競争力となる。
今シーズン第3戦では、ダンロップタイヤについて未知数な部分が多く、本来の速さを発揮できなかった。コーナリングマシンを生かせる鈴鹿サーキットは、当然タイヤについての要求度が高く、ダンロップタイヤの性能を全て発揮させることが、好成績には必要だったのだが、まだまだデータは不十分だったのだ。
しかしレースを重ねるたびに、走行データは増えていき、ダンロップタイヤへの理解も深まってきた。K-tunes Racingの3シーズン連覇の可能性もある。ただし鈴鹿が得意であるのは他のRC F GT3も同じ。96号車には24kgのウエイトハンデが課せられるが、他の3台のRC F GT3はウエイトハンデはないのだ。
ただし、同じRC F GT3勢と比較すれば、ドライバーラインナップやチームのポテンシャルでいえば、経験値も含めてK-tunes Racingが優位にありそうだ。
一方で、他のマシンで戦うライバルたちは大きなウエイトハンデが課せられている。上限となる100kgが5台、90kg台が2台と、ランキング上位7台は大きなウエイトを積む。次戦ツインリンクもてぎでは、そのウエイトは半減することになるので、K-tunes Racingにとっては今回が大きなチャンスでもある。ウエイトの重さに苦しむライバルは、とくにタイヤへの負担が大きくなることで、レースペースは苦しくなってしまう。戦略的な部分でも選択肢は狭い。ライバルが苦しむ状況の中、この絶好のチャンスを、しっかりと活かせるか?
前戦富士ではピットワークでのミスもありペナルティも受けてしまったが、そうしたミスは検証され、修正されることから繰り返すことはないだろう。そうしてチーム力は進化していくことになる。
今シーズン、K-tunes Racingはここまでの5戦で入賞は1回だけ。シリーズポイントもわずか8に留まっている。過去2シーズンともにシリーズチャンピオン争いに顔を出していたチームとして寂しい限りだ。しかし今回の鈴鹿、そして第4戦で4位入賞を勝ち取ったもてぎと、上位入賞の可能性が高いステージが続く。
2020年シーズン後半のK-tunes Racingの追い上げに注目してもらいたい。そして、その成果が2021年シーズンに繋がる道でもある。
2020 AUTOBACS SUPER GT 第6戦は、10月24日(土)~25日(日)に鈴鹿サーキットで開催される。一部制限はあるものの、一般入場が可能となっている。