K-TUNES RACING

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2022.5.28-29 鈴鹿サーキットフロントローからのスタートも決勝は7位
ファイナルラップで高木真一が圧巻の走り

いよいよ第3戦、鈴鹿大会を迎えた。LEXUS RC F GT3にとって高い競争力を発揮できる鈴鹿サーキットでは、これまでも2勝を含めて、好成績を残してきた。

2022年シーズン、SUPER GTの鈴鹿開催は、今回の第3戦、そして8月の第5戦の2度となっている。ただし今回は300km、第5戦は450kmとレースフォーマットが異なっていて、K-tunes Racingとして好成績が期待できるのは第3戦の300kmのほうで、ピット作業が増える450kmではむしろ不利な要素が多くなってしまう。
それだけに今回の第3戦は、多くの期待を集めることになった。流れもあった。前戦、苦手とする富士で今シーズン初ポイントをしっかりとゲットしたことは、大きな力になるに違いなかった。

開幕戦2位、第2戦3位。K-tunes Racingの2022年シーズンは、予選での速さがひとつのトピックスだ。当然、得意な鈴鹿サーキットでも、予選から速さはアピールすることができた。
午後の公式予選を前にした、午前中の公式練習。SUPER GTでは走行機会が大幅に制限されており、レースウィークの最初の走行が土曜日の公式練習になっている。走り出した新田守男選手はタイヤのフィーリングに不安を感じていた。想定していた性能が発揮できていない、と思っていたのだ。
SUPER GTでは持ち込むことができるタイヤの本数にも制限がある。そのため事前のテストで選定したスペックのものをタイヤメーカーに用意してもらうのだ。サーキットに入ってから変更することは不可能だ。
本来の性能を発揮させるために細かなマシンのセットアップを施す。新田守男選手は、高木真一選手の走りに注目し、慎重に意見交換をし、いつもよりも緊張感が高まっているように見えた。やはり鈴鹿、このチームにとって重要な勝負どころであることを、意識しているのだろう。
そうした熱いミーティングによって、タイヤはミディアムではなく、ハードを選択。つまり予選での一発の速さではなく、決勝レースでの耐久性を重視したセレクトとなった。

しかし予選は、いい意味で期待は裏切られた。
予選Q1、高木真一選手はしっかりとタイムを出した。アタック直後はトップタイムとなり、しばらくタイミングモニターの一番上を位置をキープしていた。結果としては#7 BMWに譲ったものの、見事A組2位を獲得することに成功した。
午後になって上昇した温度が、耐久性を重視したハードタイヤにマッチしたことが、その一因である。新田守男選手もまた、予選Q2で暫定トップタイムをマーク。最終的には4番手で、予選は終了した。ただし予選後、2番手、3番手のマシンが共にペナルティを受けて脱落、96号車は予選2位となり、開幕戦に続いて2度目のフロントローからのスタートとなった。

さらに暑さが増した翌日の決勝レース、K-tunes Racingは高まる期待感の中にあった。予選上位ゆえに注目は高く、それはまるで開幕戦のようだった。
しかし、スタートドライバー新田守男選手は、緊張の様子はなく、むしろいつもよりリラックスした印象だった。想定以上の予選結果もあり、好結果を残すための状況が整っていたからだろうか??
前戦でポイントを得たことでサクセスウエイトは8kgと、わずか。ポールポジションの#7 BMWはゼロ。予選3位の#56 GT-Rはポイントリーダーで66kgという大きなウエイトを積んで負担が大きそうだが、それでもこの予選結果を出したという意味合いは大きい。

決勝レースは、スタート直後にGT500クラスのマシンがコース脇にストップしたことで、いきなりFCYが導入された。マシンはすぐにコース外へと退避できたので、2周目にFCYが解除された。2位のポジションをキープしたまま、トップも3位のマシンも変わらず、レースは進んで行った。
新田守男選手はトップから引き離されることないペースだったが、3位の#56 GT-Rのペースは速く、ピタリと背後に位置していた。しかし4位へと上がった#88ランボルギーニが迫ったため、#56 GT-Rはブロックする必要もあり、96号車との差は拡がっていった。
しかし9周目、GT500クラスのマシンがシケインで単独クラッシュ、セーフティカーとなった。再スタートとなったのは13周目、新田守男選手は2位をキープしたまま、3度目のスタートシーンもまたポジションをキープした。
16周目、何台かのマシンがドライバー交代へとピットレーンへ戻ってきた。しかし燃費面で厳しいこともあり、96号車は早々にドライバー交代はできない。18周目、逆バンクでオーバーテイクを許し、3位へ。そして19周目、ドライバー交代を行った。

ピットワークはミスもなく、高木真一選手はコースへ。ポジションは15位まで落としていたが、しかしまだまだドライバー交代を終えていないマシンも多かった。ピット作業が終われば、ポジションは自然に回復すると思われた。
だが28周目、全車がドライバー交代を終えても、高木真一選手のポジションは13位。トップの#7 BMWとの差は約30秒へと拡がっていたが、ポジションは大きく引き離されてしまっていた。ピットストップの時間がライバルよりも長かったため、順位を回復することができなかったのだ。しかしペースは悪くなく、先行するマシンに追いつき、ポジションを挙げていく。
35周目、2台のマシンのクラッシュによってセーフティカーに。その時点で高木真一選手は10位と、入賞圏内へと戻すことができた。40周目に再スタートとなり、残りは最大9周となった。42周目、前を走っていた#10 GT-Rにペナルティが出て、自動的に9位へ。
そして6位争いを繰り広げていた隊列に追いついた。
ファイナルラップ、高木真一選手のチャレンジングなドライビングを目にすることになった。コース後半、ヘアピンの立ち上がりから距離を詰め、スプーンの立ち上がりで1台!、さらに130Rで1台をオーバーテイク! 7位でチェッカーフラッグを受けることになった。最後の最後、2つのコーナーでポジションを2つ上げてみせたのだ。
残念なことに表彰台には手が届かなかったものの、7位という結果以上に、大きな成果を残すことができた。レースでのタイムの落ち込みはライバルに対してほとんど差がなく、十分な競争力があることを証明できたのだ。

コメント

  • 影山正彦チーム監督
    影山正彦 チーム監督

    「新田選手がフロントローからスタートして、要所要所を抑えて高木選手へと、ほぼ完璧なピット作業で交代しました。しかし必要な給油時間が長く、15位まで順位を落としてしまいました。高木選手は最終周に2台をオーバーテイクするなど、素晴らしい走りで、2戦連続入賞できたことは大きかったと思います。」

  • 新田守男選手
    新田守男 選手

    「55℃を超えるような路面温度になって不安もあったんですが、ダンロップタイヤはいいパフォーマンスでした。FCY、セーフティカーと、低速での走行になってタイヤが一度冷えてしまうと、ライバルに対してペースが苦しくなってしまいました。それでも高温下でのデータも取れたし、ポイントも2戦連続でゲットできたので、いいレースだったと思います。」

  • 高木真一選手
    高木真一 選手

    「3番手で交代したんですが、まさか15番手まで順位を落としているとは思いませんでした。タイヤのことを意識しながら、ペースをコントロールしていました。トラブルで後退していったマシンもあり、入賞圏内まで戻すことができました。最後は混雑した6位争いの集団の中で2台を抜いて、7位にまで上がることができました。暑い中での走行データを含めて、次につながるレースだと思います。」

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