K-TUNES RACING

2020 Rd.8 Preview2020年シーズンの集大成を見せるか?
進化が来シーズンへの架け橋となる

3カ月半遅れで開幕した2020 AUTOBACS SUPER GTシリーズも、いよいよ最終戦を迎える。現代の都市社会において感染症が大きなダメージを与えることは予想されていたが、これほど大きな影響へと拡大するとは。

その最終戦の舞台は富士スピードウェイ。通常のSUPER GTのカレンダーでは、5月のゴールデンウィークと8月の夏休みに設定されるのだが、11月末の寒い時期の開催は珍しい。それだけにいつもの富士とは、少し表情が違うことになるかもしれない。
今シーズンは、そのイレギュラーなスケジュールによって、富士スピードウェイは4戦が設定された。これまでの開幕戦、第2戦、そして第5戦と、いずれも苦戦している。そもそもシリーズランキング2位の2019年シーズンでさえも、苦しい戦いを強いられたのだ。
K-tunes Racing 96号車は、そもそも富士を苦手としている。その理由はコースレイアウトに起因しており、エンジンパワーを必要とする低速からのフル加速やセクター3の登りの連続したタイトコーナーは、LEXUS RC F GT3にとってライバルに対してアドバンテージがないのだ。

しかし進化を続けるK-tunes Racingは、ダンロップタイヤの特性について理解を深めてきた。今シーズン後半のレースでは、予選で一発の速さを出すことに成功している。もはや予選Q2への進出は規定路線になりつつある。
この寒い時期の富士スピードウェイで、ダイロップタイヤはどんな特性を示し、どんなセッティングが有効で、どのような性能を発揮してくれるのか? 残念ながらK-tunes Racingにはそのデータがない。しかもSUPER GTの場合、走行テストの機会は大幅に制限されており、実際に富士でテストをすることはできない。
これまでのデータを参考に、今回のコンディションに見合ったセッティングを見いだすしかないのだ。逆にいえば、今シーズンこれまでの進化が試される、と言ってもいいかもしれない。
ランキング上位のマシンを苦しめてきたウエイトハンデは、最終戦なのでゼロ。例年と同じく、ノーハンデ戦となる。シリーズチャンピオンへの最終決戦の場として、ガチンコ勝負となるわけだ。残念ながらK-tunes Racingにはチャンピオンの可能性はゼロだが、来シーズンのための前哨戦として、成果を残したいところだ。

チーム力は確実に進化している。シーズン前半はピット作業を含めて、ミスが少なくなかった。実際にタイムロスしたこともあった。今シーズンは新しく加わったメンバーも多く、レースでの経験値が不足していた部分もあったのだ。
苦戦してきたこともあり、2年目となる新田守男選手と阪口晴南選手のコンビネーションも深化している。
今シーズンの集大成であり、来シーズンへつながる最終戦。2020 AUTOBACS SUPER GT 第8戦は、11月28日(土)予選、11月29日(日)決勝レースが行われる。