緊急企画!!かつての朋友「新田守男」と「高木真一」対談

INTRODUCTION

2018年5月20日、K-tunes RacingはスーパーGT参戦わずか3戦目にして、初優勝を手にした。ドライバーは若手実力派の中山雄一選手と、20年以上参戦し続けてきた「ミスターGT300」と呼ばれるベテラン新田守男選手である。この勝利は新田守男選手にとって、通算19回目のものだった。
そのわずか2週間ほど前、富士スピードウェイでは#55 ARTA BMW M6 GT3が優勝した。そのドライバーはショーン・ウォーキンショー選手と高木真一選手で、この勝利によって高木真一選手は通算19勝目を挙げ、最多勝利記録を更新していた。つまり新田守男選手は、その記録に追いつき、再び最多勝記録のタイトルホルダーへ返り咲いたことになる。
新田守男選手と高木真一選手。以前からのモータースポーツファンなら良く知っていることだろう。1999年から2010年までの12年間、この2人のコンビネーションは、SUPER GT GT300クラスのチャンピオン争いの常連であり続け、実に12もの勝利を挙げている。19勝のうち、その半数以上をチームメイトとして共に勝ち取ってきたわけだ。

1999年のシリーズ第2戦、シーズン途中で急遽チームに招聘された高木真一選手は、すでに通算5勝、1996年にはシリーズチャンピオンも獲得していた新田守男選手と初めてコンビを組むことになった。初めてのGT300。その初戦、初コンビにも関わらず、2人は表彰台の一番高い所に立った。 ゴールデンコンビの誕生である。
その1999年、新田守男選手は2度目のシリーズチャンピオンに輝く。(高木真一選手は開幕戦に出場していないので、ポイント差があった)そして2002年、2人揃ってのシリーズチャンピオンを獲得する。
12年の間、チームは何度か変わったものの、2人のコンビは不変だった。結果が全ての価値を決めるといっていいモータースポーツの世界で、同じコンビが続いたのは常にチャンピオン争いに加わり続けただけでなく、ドライバー2人の相性の良さもあったに違いない。

2011年、新田守男選手がチームを離れることで、2人のコンビは解消され、それぞれが別のチームでスーパーGTを戦うことになった。以降、2017年までの間に、新田守男選手は1勝、高木真一選手は6勝を挙げた。とても追いつかないと思っていたという高木真一選手は、新田守男選手とともに、通算18勝で最多勝ホルダーとなっていた。
そして2018年、高木真一選手が先に19勝目を挙げて通算の勝利数で新田守男選手を上回る。ところが、わずか2週間ほどのタイムラグを持って19勝目を挙げた新田選手。通算勝利数を更新し続けるこの2人にはモータースポーツファンでなくても、興味深いエピソードの数々が眠っていることだろう。今回はK-tunes Racingオリジナル企画として、新田守男選手と高木真一選手に、その想いを語ってもらうことになったーー。

[ POST-FIN EPISODES ]

高木真一選手は、この対談の後、8月4日~5日に開催された2018 AUTOBACS SUPER GT Round 5 FUJI GT 500mile RACEで見事な優勝を飾り、通算勝利数を20とし、再び最多勝利数単独首位となりました。レース後、以下のようなコメントがありました。
「新田さん!、ごめんなさ~い! でも次のレースでは新田さんが勝って、また並ぶことになると思うので、また2人で(最多勝を)争っていきたいと思います」

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