K-TUNES RACING

2018/6/30(土) 予選

SUPER GT 300 2018 Series 第4戦 チャン・インターナショナル・サーキット

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前戦の鈴鹿で初優勝を飾った
K-tunes Racing LM corsa
RC F GT3が得意とする
タイでも強さをみせ、
予選Q1を新田選手が13位で突破し
予選Q2で中山選手が7位を獲得。
さらに繰り上がりにより
明日の決勝レースは、
5番手スタートから表彰台を目指す

SUPER GTシリーズの中で唯一の海外大会となるタイラウンドが、タイ東部のブリラムにあるチャン・インターナショナル・サーキットで開催される。2014年から実施されているタイラウンドは、2015年のみ今回と同様の6月開催となっていたが、昨年までは最終戦の前の10月に行なわれていた。今シーズンは、SUPER GTの年間スケジュールが変更されたことによって、タイラウンドが3年ぶりに6月の開催となった。
6月のタイは雨期の始まりで、10月開催のときにも心配されていたスコールがサーキットを包み込むこともあるはず。激しいスコールがレースに影響を与えることも予測され、予選と決勝レースともにチームの戦略や采配が勝負を分ける可能性も考えられる。
第4戦の「Chang SUPER GT RACE」は、6月30日(土)と7月1日(日)の二日間に掛けてスケジュールが組まれていて、19日に公式練習と予選、20日に300kmの決勝レースが行なわれる。
前戦の鈴鹿サーキットラウンドで、参戦開始からわずか3戦目にして初優勝を果たしたK-tunes Racing LM corsa。第4戦の舞台となるチャン・インターナショナル・サーキットは、昨年シーズンにRC F GT3が優勝を飾った相性の良いコースなので、前戦の優勝によって42Kgのウエイトハンデを積むものの上位入賞の期待は掛かる。
30日は、早朝から曇り空に覆われることもあったが、時折、日差しも差し込み気温は30℃付近まで上昇。路面温度も30℃を越え、ドライバーにもメカニックにも過酷な戦いとなった。公式練習は予定通りの10時からスタートし、11時25分までがGT500クラスとGT300クラスの計38台による混走で、11時25分から10分間がGT300 クラスの専有走行となっていた。

K-tunes RC F GT3には中山雄一選手が乗り込んで公式練習を開始。数回のピットインを繰り返して、持ち込みのセットアップやタイヤを確認する。計測10周目にはラップタイムを1分33秒台に入れて、12周目に新田守男選手にバトンタッチ。新田選手も13周を走行してマシンのバランスを確認する。その後は、再びK-tunes RC F GT3に中山選手が乗り込み、持ち込んでいるタイヤの比較やセットアップを進めて11周を走行した。公式練習の最後に設けられたGT300の専有時間になると新田選手がK-tunes RC F GT3のステアリングを握り、予選のシミュレーションを実施。計測39周目に1分33秒116のベストタイムをマークし、公式練習を10番手で終えた。

<予選>
公式練習が11時45分に終了し、1時間半のインターバルを経て13時15分からはピットウォークが開始された。このころまでは晴れ渡っていた空だが、次第に雨雲がチャン・インターナショナル・サーキットに押し寄せ、14時を過ぎるとスコールがサーキットを襲った。コースは一瞬にして濡れて、コースの一部は冠水するほどの状況となる。スコールは30分ほどで止んだが、コースはウエットコンディションとなり、GT300クラスの予選Q1は予定されていた15時から15分ディレイとなり15時15分から30分までの15分間で競われた。
15分遅れでスタートした予選Q1は、新田選手が担当。コースオープンとともにアタックを始めて計測4周目に1分46秒256をマークするが、これでは予選Q1を突破することが難しいと判断し、チームは新田選手をピットに呼び戻す。メカニックの敏速な作業で、タイヤをソフト側のレインタイヤに交換し、新田選手は再びコースイン。翌周に1分43秒516をマークし、際どい争いとなったが13番手で予選Q1を突破した。
続く予選Q2は、レコードライン上が乾きだしたために全車がスリックタイヤでアタックを行なう。K-tunes RC F GT3には中山選手が乗り込み計測を開始。徐々にコースコンディションが回復していく中で、計測5周目に1分33秒110のタイムをマークし、7位を獲得した。しかし、予選終了後に88号車のランボルギーニと10号車GT-Rの車両規定違反が判明したために、K-tunes RC F GT3は5番手から明日の決勝レースに臨むこととなった。
チャン.インターナショナル・サーキットは、昨シーズンにRC F GT3が優勝した相性の良いコース。5番手からのスタートだが、二連勝を目指して戦うことになる。

コメント

<影山正彦監督>
今回は前戦で優勝したマシンのセットアップから若干の変更は加えましたが、ほぼ同様の状況で走り始めました。公式練習で最初に乗った中山選手は、バランスが良いとのコメントで、続けて新田選手にも確認してもらいましたが同様のコメントだったため、セットアップは変えることなく走行しました。タイムとしては10番手でしたが、トップから1秒以内に15台ほど入る状況で、予選は熾烈な展開が予想されました。予選Q1は、選択したタイヤが思うように発熱しなかったためにヒヤヒヤしましたが、無事に13番手で突破できました。ドライとなった予選Q2は、実力を出し切っての7位だと思います。それでも上位2台が失格となり、明日の決勝レースは5番手からのスタートなので、表彰台を狙っていきたいです。

<新田守男選手>
公式練習で乗ったときはバランスが良かったのですが、タイムとしてはもう少し欲しかったですね。予選はQ1を担当し、チームとタイヤメーカーの判断により持ち込んだ中の硬めなレインタイヤを選択しました。しかし、最初の数周はグリップ感が薄く、段々と上がってはきましたが、このままだと予選Q1を突破できないかもしれないということで、ピットに戻ってソフト側のタイヤに履き替えました。最後までコースに留まっていたら、タイムアップが可能だったかもしれないので難しい判断でしたが、13番手ながらも突破できて良かったです。決勝レースは粘り強く戦い、蓋を開けてみたら表彰台争いをしているという展開にしたいです。

2018/7/1(日) 決勝

SUPER GT 300 2018 Series 第4戦 チャン・インターナショナル・サーキット

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5番手からスタートした
K-tunes RC F GT3だったが
選択したタイヤが本来のグリップを得られなかったため
ラップタイムを上げることができず、最終的に10位でフィニッシュ

3年ぶりに開催時期を変更してSUPER GTシリーズの第4戦として実施されることになった「Chang SUPER GT RACE」。
K-tunes RC F GT3は、6月30日(土)に実施された公式練習では、新田守男選手が19周、中山雄一選手が24周の計43周を走行。結果は、新田選手がマークした1分33秒116がベストタイムとなり10番手となった。突然のスコールによってウエットコンディションとなった予選Q1では、最終ラップでベストタイムを記録して辛くも13番手で予選Q2に進出。スリックタイヤを履いた予選Q2では、1分33秒110を記録して7番手となった。しかし、予選後の車検で上位2台に車両規定違反が見つかったため、2グリッド昇格し5番手から決勝レースを迎えることとなった。
予選日から一夜が明けてチャン.インターナショナル・サーキットは、早朝から晴れ渡るとともに強い日差しが差し込み、正午には気温が33℃まで上昇。前日に引き続いて、ドライバーとメカニックには厳しい戦いが予想された。
昼前から始まったピットウォークの後には20分間のサーキットサファリが実施され、その後には20分間のウォームアップも設けられていた。決勝レース前の貴重な40分間の走行は、新田選手が最終的なセットアップなどを確認。サーキットサファリでは11周、ウォームアップ走行では12周を走行した。ウォームアップ走行でのベストタイムは1分34秒380で、11番手の結果となった。心配されていたスコールもなく決勝レースは、予定通りの15時にフォーメーションラップによりスタート。チームは戦略の幅を持たせるために、ライフの長い硬めのスリックタイヤを履いてK-tunes RC F GT3をコースに送り出した。

スタートドライバーを務めた新田選手は、1周目に1つポジションを落として6番手となるものの、その後は思ったようにペースが上がらない中でも巧みなライン取りで後続を抑え込み順位を守っていく。13周目には、7周に渡って押さえ込んでいた31号車プリウスの先行を許してしまうが、それでも7番手で20周目を迎える。21周目になると上位陣が徐々にピットインしてドライバー交換の作業を行なっていく。K-tunes RC F GT3は、ピットインのタイミングを引っ張る戦略を採っていたので、23周目には4番手、24周目には2番手まで浮上する。その後は、こちらもピットインのタイミングを遅らせた87号車と88号車のランボルギーニとのバトルになり、先行を許すもわずかなタイム差で続き、新田選手は38周目にピットイン。タイヤは前半のスティントで使用したハードからソフトに交換し、給油を行なうとともに中山選手にドライバーチェンジしてコースに復帰する。43周目には走行している全車がピットインを終え、この時点でK-tunes RC FGT3は11番手を走行。前走車は7号車のポルシェで、後ろからは34号車のNSXが迫り、3台はテールトゥノーズの状態で周回を重ねる。34号車はウエイトハンデが軽いこともありコーナーからの立ち上がりやストレートスピードに勝っている。中山選手は10周以上に渡って押さえ込むが55周目に抜かれてしまう。だが、2号車のマザーシャシーをパスしたことで11番手をキープ。このままポイント圏外でレースを終えるかと思えたが、58周目に2番手を走行していた55号車のBMW M6 GT3がトラブルによって後退したため、60周目に10位でチェッカーを受けた。
前戦の鈴鹿サーキットラウンドでは初優勝を遂げたK-tunes RC F GT3だったため、タイラウンドでも上位に入ることが期待された。そして決勝レースは5番手でスタートしたものの選択したタイヤがコースコンディションと合わずにラップタイムではライバル勢に離されてしまった。しかし、シーズンを考えると貴重な1ポイントが獲れたことが救いといえる。

コメント

<影山正彦監督>
レース序盤は硬めのタイヤを選択したので、ライバル勢に対して遅れをとることは想定内でした。その苦しい状況の中でも新田選手は踏ん張ってくれて順位をキープしてくれました。しかし、先行したマシンにタイム差を付けられてしまったので、後半のスティントで追い上げることができませんでした。最後は、55号車にトラブルが発生したために10位でフィニッシュできたことが幸いです。今回は、公式練習でタイヤ選択を見極めることができなかったことが、決勝レースでの苦戦に繋がりました。次戦以降は、持ち込みのタイヤを決勝レースやコンディションを想定したうえで判断して、最適なモデルを選べればと思 います。

<新田守男選手>
ウォームアップのときにも感じていたのですが、タイヤのグリップレベルがあまり良くなく、それが決勝レースでも同様となりました。K-tunes RC F GT3は、高速コーナーを得意としているのですが、苦手の低速コーナーでライバル勢にパスされてしまい苦しい展開でした。担当したスティントは38周目まで引っ張ったのですが、もう少し早くピットインしていた方が良かったかもしれません。影山監督とも話しましたが、今回はタイヤチョイスを失敗してしまいました。次戦以降は、チームやタイヤメーカーとしっかりとコミュニケーションを取って、最善の策で戦っていければと思います。

<中山雄一選手>
後半のスティントを担当したのですが、新田選手が履いたタイヤとは異なる柔らかめのモデルを選びました。内圧が上がりきるまでは、車重やガソリンの重さが影響してペースが上げられず、最初の数周は苦しい状況でした。また。前戦の鈴鹿ではコースコンディションに合わせてセットアップが出来て一発の速さも持っていましたが、タイのコンディションには合わせ切れませんでした。そのため、コーナーでの速さが足りず、ポジションを競い合っていた34号車にも最終的に抜かれてしまいました。10位でポイントを獲れたことは、シリーズとしては良かったと思いますが、さらに強くなるために戦略やセットアップを見つける必要があります。