K-TUNES RACING

Inter Proto 2018 Series Race Rd.1-2 インタープロトシリーズ 第1戦-第2戦 富士スピードウェイ

インタープロトシリーズ 第1戦-第2戦 インタープロトシリーズ 第1戦-第2戦 インタープロトシリーズ 第1戦-第2戦 インタープロトシリーズ 第1戦-第2戦 インタープロトシリーズ 第1戦-第2戦 インタープロトシリーズ 第1戦-第2戦 インタープロトシリーズ 第1戦-第2戦

ファイナルラップで中山雄一が抜け出し
K-tunesインタープロトシリーズ初優勝!

参戦2年目となるインタープロトシリーズに、K-tunes Racingは昨年と同じドライバーラインナップで挑むこととなった。ジェントルマンドライバーはチーム代表でもある末長一範選手、プロフェッショナルドライバーは中山雄一選手である。その第1大会が6月16日・17日に行われた。
梅雨時とあって、金曜日までの練習走行は天候がセッションごと目まぐるしく変わり、コンディションはドライあり、ウェットあり……とさまざまだったが、土曜日の午前に行われた予選は、しっかりドライコンディションが保たれていた。まずは20分間の計測となるジェントルマンクラスで、末長選手は計測開始と同時にピットを離れ、さっそく走行を開始。6月とは思えぬほど、気温は低めであったことから、ウォーミングアップを入念に行った後、タイムアタックに取りかかる。

まずは1分51秒715をマークした末長選手は、その後も51秒470、50秒315、50秒111とラップを重ねるごと確実にタイムを縮め、アタック5周目にはついに49秒290にまで短縮を果たすことに成功する。そして、タイヤのピークにベストタイムを出せたこともあり、チェッカーが振られるのを待つことなくピットイン。マシンを降り立った末長選手には会心の笑みがあった。総合4番手、そしてGクラスではトップにつけていたからだ。
「すごく良かったです、今までの中で。去年は不安と恐怖感があったんですが、今年はそういうのがなくなって、操るまでとはいかないけれども、なんとなくクルマの挙動が分かってきて、どこまでいけるのか雰囲気的に分かってきました」(末長選手)

続いて15分間の計測で行われたプロフェッショナルクラスの予選では、中山選手は計測3周目に1分45秒560、次の周には45秒461をマークする。さらなる短縮が望まれたものの、タイヤのピークは過ぎており、45秒758を記録するに留まったことから、やはりチェッカーを待たずピットに戻ることに。第1戦決勝レースには6番手から挑むこととなった。
「フィーリング的には悪くなかったんですが、今日の路面とはマッチしていなかったようです。でも、トップはちょっと抜けていますが、2番手からはコンマ4秒ぐらいの差ですから、まったくチャンスがないわけじゃない」(中山選手)

さて、ジェントルマンクラスの決勝レース第1戦は初の試みとして、22周で争われることとなり、スタートをジェントルマンが担当し、途中ピットに戻ってドライバーを交代。後半をプロが担当することになった。なお、Gクラスの末長選手は15周以上の走行が義務づけられている。その決勝を前にして霧雨が降り始めたことから、全車ドライタイヤを装着したままであったため、セーフティカー(SC)スタートでレースが開始されることになった。

2周のSC先導の後、バトルは開始された。3番手をキープして1コーナーに末長選手は飛び込んでいく。後続からのプレッシャーにもしっかり耐え抜いていた末長選手だったが、ウェットコンディションになっていった路面が、その奮闘を阻害する。11周目に1台に抜かれ、さらに14周目の1コーナーでの3ワイドの攻防で6番手に退いた後、規定で認められた15周目に中山選手と交代する。
中山選手は最後まで激しく5番手を争い合うも、セッティングの違いもあってポジションアップには至らず。その結果、6位でのフィニッシュとなったのだが、レース後に上位マシンの失格やペナルティがあり、繰り上がって4位というリザルトを得ることになった。
「天気がすごく微妙で、あまり経験したことのないコンディションだったので、ペースが上がりませんでした。濡れた路面にスリックだったので、気持ち的にも守りに入ってしまったのかもしれません」(末長選手)

日曜日に行われた、ジェントルマンクラスの決勝レース第2戦は、完全ではなかったがドライコンディションで、10周で争われた。4番手からスタートを切った末長選手は、土曜日以上に冷えた路面に手を焼き、慎重な走りのあまりオープニングラップのうちに1台、そして2周目、3周目にも1コーナーでオーバーテイクを許し、7番手に後退してしまう。
ようやくタイヤに熱の入った4周目、一気に前との差を詰め、5周目の1コーナーでインに並び6番手浮上を試みる。しかし相手は末長選手のマシンが目に入っていなかったようで、2台は接触してコースアウト。96号車はゆっくりとピットに戻ったものの、カウルとステアリング系統にダメージを負い、無念のリタイアとなった。

なんとか末長選手の無念を晴らしたいと、気合の入る中山選手ではあったが、8周で争われるプロフェッショナルクラスの第1 戦決勝レースでは、オープニングラップでひとつ順位を落としてしまう。トップが逃げる展開となったが、2番手争いはかつてなかったほど壮絶に繰り広げられ、もちろん中山選手もその中に。特に毎周1コーナーで繰り広げられた激しい攻防は、見る者すべてを魅了したと言っても過言ではないほどだった。ただし中山選手は、一時は4番手にまで上がったものの、今ひとつマシンはパンチを欠いて、予選と同じ6位でゴールするのが精いっぱい。

続いて行われた10周による決勝レース第2戦は、間髪入れず行われるため、セッティングの変更もままならず。引き続き苦戦を覚悟の戦いとなったが、それでも中山選手は技を駆使して、まずはオープニングラップの最終コーナーで5番手に浮上。そして2周目の1コーナーで、さらに1台を抜いて4番手へとポジションを上げる。だが、その間にトップ3との差は広がっていたため、これ以上の上昇は困難かと思われた。
そんな中、3周目の1コーナーで後続車両にアクシデントが発生。車両回収のため、SCがコースイン。これでギャップが一気に詰まる。ただ、5周目のリスタート後も、中山選手は前の3台に付いていくのがやっとだった。ところが、そんな状況において千載一遇のチャンスが、思いがけず舞い込んできた。
最終ラップのダンロップコーナーで、トップを争っていた2台が接触して姿勢を乱し、その脇を中山選手がすり抜け、一気にトップに浮上したのである!そして、そのままトップチェッカーを受けることに成功。気まぐれな勝利の女神に微笑まれた中山選手が2年ぶりの、そしてK-tunes Racingにとって、インタープロトシリーズでは初めての勝利を獲得した。
第2大会は8月25 26日の開催を予定。末長選手の逆襲と中山選手の引き続きの活躍を大いに期待したい。

コメント

<末長一範選手>
まだ経験が少ないので、決勝1・2周目のペースがまだつかめていないんですね。そのあたりを次の練習で、タイヤが冷えた状態でもタイムを出せるように、しっかりやっていきたいと思います。3・4周したらペースも上がってきているので、最初のうちにポジションキープできるようになれば結果も変わってくると思っています。昨日はやられっぱなしだったので、もうちょっと挑戦的にやろうとした結果、ああいう形になってしまいました。うまく飛び込めたとは思うんですけど、運が悪かったですね。まぁ、これもレースですから。

<中山雄一選手>
優勝しましたけど、一番速くはなかったから、あんまりカッコよくないなぁ(苦笑)。トップ3台がずば抜けていて、そこに着いていけない感じでした。ロニーさんとレース後に『ふたりは、ふたりの争いをしていたね』って話していたほどでした。でも、優勝は久しぶりで、去年は一度もなくて、一昨年以来。チームにようやく恩返しできました。最後の周のペースがみんな悪くて追いついたので、『これなら表彰台行けるかな?』とは思いましたが、まさか一番上とは!でも、ペースはあんまり速くなかったので、そこが次回の課題ですね。

公式記録